角砂糖の日
2024-02-11 2024-02-13 , featured image by Michael Paraskevas, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons山尾悠子 「角砂糖の日」 LIBRAIRIE6
伝説的な SF・幻想文学作家、山尾悠子の唯一の短歌集。新装版が出た今となってもなかなか求めにくい価格である1。
どの歌も構築的でうつくしい。体験や生活に根ざしたものは見られないが、冷たい作品ではない。たとえるなら初秋の温度感だ。
わたしがとりわけ好きなのがこの一首だ。
懲罰の部屋にありては支那ふうに脚を歪めて坐るべきこと
ある奇妙な規則の提示が詩としてなりたっている。
南西の沖に驟雨は廃船を飾れり 海の美女への花合歓
葡萄月・酢牡蠣・酸触白真珠 歯に貝殻の硬さ欲る夜は
など、暗唱したくなるようなフロウをもった歌も多くある。
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わたしは実はこれを持っていなくて、友人に借りて読ませてもらった。 ↩